東京新聞右東京新聞HPより小泉首相そっくりマジシャン 横木ジョージさん
通常国会は閉幕したが、“小泉純一郎首相”の「国会マジック」がブレーク寸前だ。カードやコインなどを使うスライハンド(手先のマジック)の世界で有名な横木ジョージさん(47)は、たまたま顔が官邸の主にそっくりで、手品とお笑いネタをドッキングさせた新境地を開拓した。とはいえ「小泉政権が倒れれば私も一緒に消えます」と首相な、いえ、殊勝な横木さんに旬なマジックを披露してもらおう。
■お笑いとの融合「悩みました」
 舞台が暗転し、小泉首相の好きなロックバンド「X JAPAN」の「フォーエバーラブ」が流れる。首相のポスターに照明があたり、一人の男が静かに現れる。スーツの胸には国会議員バッジ、のようなものを着け、ライオンヘアの髪形は、まさにあの人ではないか。観客が「オオオーッ」とどよめく。
 男が「永田町からただいま到着しました」とあいさつ。場内はさらに沸く。「あまり正面から見ないでください。できれば横ないし、斜めからお願いします」と続けると、別人と分かって観客は大笑いする。
 横木さんは「実は物まねでも漫才師でもない。純粋で素直なマジック、ホンマのマジックを芸にしており、こうしたお笑いとの融合には正直言って悩みました」と苦笑いする。本人の話を聞く前に「国会マジック」の舞台を進めると−。
 ▽「米百俵」マジック 何もない鍋からコメ粒がどんどん出てくる。量は鍋二杯ほど。「スタッフが『一瞬のうちに百俵出せ』言うんですが、どないして持ってくるんですか。十トントラックで運ぶんですか。でも本当は出せるんですよ。百俵出したいけど、それをやったら夜までかかる。お客さんが大変なのでやめま
す」
■鏡を袋に入れて「抵抗あるなあ」
 ▽「ムネオ」マジック 再逮捕された鈴木宗男衆院議員の声帯模写が得意な若手漫才師がムネオ役で登場。横木さんが「違法献金かどうか調べよう」と言いながら、白い紙を七、八枚取り出す。ポンとおまじないをかけると、紙は全部千円札に早変わりする。ムネオ役が「千円ではねえ」とケチをつける。横木さんが、千円札を財布に入れると瞬時に一万円札に変わる。ムネオ役は「そのお金、私には関係ない」と言いつつ、財布に飛びつく。
 ▽「痛みに耐える」マジック 舞台にギロチン台。逃げ回るムネオ役を、電動のこぎりの胴切り台に押さえつける。ベニヤ板を「ムネオハウスから持ってきました」と言いながら、一緒にセットする。ムネオ役は「野中さんを呼んでくれ」「橋本さん助けて」と叫ぶ。電動のこぎりが動きだし、ベニヤ板がバリバリと切れ、ムネオ役の胴体も…。「痛みに耐えてよく頑張った」と横木さん。
 ▽「抵抗勢力」マジック 硬い鏡を布袋に入れ、たたきながら「硬い。当然、抵抗がありますよね…抵抗勢力」と説明した上で、「抵抗勢力なんて何のそのだ」と、布袋に長い針を何度も突き刺す。さらに、布袋を真っ二つに折り曲げ「抵抗勢力も私の手に掛かると折れてしまいます」とみえを切る。最後に、袋から鏡を取り出し「あれれ、結局元に戻った。抵抗勢力はやっぱり強いなあ」。
横木ジョージ (本名・横木保=よこぎ・たもつ)
 1954年、滋賀県安曇川町生まれ。高卒後、12年間の銀行勤めを経てプロのマジシャンになる。85年に「日本一マジック大賞」でスライハンド賞を受賞。国際大会にも出場し、吉本興業に所属。妻(44)と大学3年の一人娘(20)も一緒に舞台に立つ。今月24日に大阪市のワッハ上方演芸ホールで、門下生やゲストを招き、大々的に「国会マジックショー」を上演する。
トップ 新聞雑誌掲載 東京新聞掲載 東京新聞掲載(右)